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カナダでスノーボードとコーチング

カナダコーチング学から学んだこと、現場でのコーチング経験を通して感じたこと、そしてスノーボードあれこれについて発信していきます。

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プロフィール

高石周(Shu)

Author:高石周(Shu)
カナダ(ウィスラー)でスノーボードコーチとして活動しています。
主にコーチングとスノーボードについて自分が学び感じたこと、またウィスラーの現地情報を発信していきます。
子供の育成に関連した情報もアップしていきます。


[スポンサー/所属]
 
・VOLKL スノーボード
・FLUX バインディング
・CROSS5 スノーボードブーツ
・WEST BEACH スノーボードウェア
・Whistler Gymnastics
・Whistler Youth Soccer Club


[資格]

* スノーボード
- CSCP Basic Coach
- CSCP Comp Intro Coach
- CSCP Comp Dev Coach
- CASI Level 2 Instructor
- Canada~Snowboard Judges Level 1 Officials

* スポーツ心理
- NSCA Exercise and Sports Psychology

* ジムナスティック(体操)
- NCCP Gymnastics Foundations Part 2 Theory
- NCCP Gymnastics Foundations Part 3 Artistic
- NCCP Gymnastics Foundation Part 3 Trampoline

* NCCP(ナショナルコーチングサーティフィケイトプログラム)
- Part A
- Part B
- Make Ethical Decisions

* サッカー
- NCCP Soccer Community Coach Children
- NCCP Soccer Community Coach Youth

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2010.10
09
「恐怖心」の克服


アクションスポーツでは絶対に付きまとう厄介な問題ですね。
スノーボードをしていてこれと向き合ったことの無い人はもちろんいないでしょう。
そしてこれを教えてくれる人もいません。
また未だにこれを乗り越えることができずに足踏みしている方もいることでしょう。
そして恐怖は逃げれば逃げるほど強くなっていきます。

今回考えるのは克服法というより、恐怖に立ち向かう考え方と言えます。
では早速、恐怖を感じる原因を知って解決法を探っていきましょう。



1.「恐怖心」を知る

まず「恐怖」そのものが何者なのか?
これを知らないと対処のしようがありません。
どんな時に恐怖を感じるのでしょう?
代表的なものを2つ挙げてみました。

● 新しいことに挑戦するとき
● 失敗をイメージするとき

どちらもプラス(成功)のイメージを持てないことが原因と言えないでしょうか。



2.過去の恐怖体験を書き出す

まずは皆さんが過去に味わったことのある「恐怖体験」を書き出してみてください。
スノーボードなど、スポーツに関わる事だと考えやすいですが、スポーツ以外のことでも構いませんよ。

例:
● 大きなジャンプを飛ぶ前
● 初めてのトリックにチャレンジするとき
● 結果を求められていてプレッシャーが掛かっているとき
● 自分の英語がカナディアンに通じないかもしれない
● グループに受け入れられないかもしれない

恐怖や不安は先に書いたように「新しいことにチャレンジするとき」であったり、「今までに克服したことの無い壁」であったり、これらが原因のことが多いのです。
赤ちゃんや子供たちを見てください。
彼らはどうやって大人に成長するのでしょう?
大人の持っている知識や経験は子供には備わってないわけですから、大人に成長するまでの全ては「新しいこと」または「克服したことの無い壁」なのです。
彼らは日々「恐怖」や「不安」を多かれ少なかれ体験しているのです。
つまり、「恐怖」や「不安」というのは成長に欠かせない重要な要素であると言えるのです。
「恐怖」を目の前にしたら、同時にそれは成長するチャンスを目の前にしていることですから、むしろ喜びたいものですね。

ではカナダのコーチングコースで学んだことを応用した「恐怖心克服までの考え方」を解説しましょう。



3.分析

個々の恐怖体験を「なぜ?」そう感じたのか分析してみましょう。
要するに原因を探るのです。
そして以下に分析結果を振り分けてみましょう。

「TTPPEE」
● Technical (技)
技術的に未完成であることが原因

● Tactical (作戦、プラン)
準備が不十分、またはプラン通りにできないことが原因

● Psychological (心)
心理的な準備ができていないことが原因

● Physical (体)
体が運動する準備ができていないことが原因

● Environmental (環境)
目の前にある環境が適切でないことが原因

● Equipment (道具)
しっかりした道具が準備できていないことが原因


先に書き出した「なぜ?」、恐怖の原因は以上の要素のどれに当てはまりますか?

例:
● やったことの無い技にチャレンジするから → Technical
● 180が完成してないけど360にチャレンジするから → Tactical
● ケガをしている、体が十分に動かないから → Physical
● 悪いイメージが思い浮かぶから → Psychological
● ジャンプ台の形がキレイでないから → Environmental
● バインディングとブーツのフィット感が甘いから → Equipment
● 過去に同じ状況で恥をかいた経験があるから → Psychological
● 嫌いな(自分を攻撃する)人がいるから → Environmental、Psychological
● 自信がないから → Psychological、Technical、Tactical


複数の要素に当てはまる場合、その中のどれが一番強い要素(原因)と言えますか?
さらに分析を進めましょう。

以上のように自分の「恐怖」を振り分けることで「原因」が明確になってきます。

また、Psychological(心)に関わる「恐怖」では過去に紹介したメンタルスキルの内、どのメンタルスキルに振り分けられ、どのスキルなら解決に持っていけるのか考えます。

例:
● 大きさにビビッて緊張した → 「リラクゼーション」
● 怖くて意気消沈した → 「サイキングアップ」
● 失敗する要因が頭をよぎった → 「プラス思考」
● 好ましい練習過程を踏んでいない → 「目標設定」
● 様々な不安が脳内で浮かんでは消える → 「集中力」
● 悪い失敗イメージが浮かぶ → 「イメージトレーニング」
● 緊張から脳が真っ白になる → 「リラクゼーション」&「プラス思考」

これらのメンタルテクニックは過去の各記事に飛んで再確認してみましょう。



4.優先順位を知る

様々な「恐怖心」の理由と解決法が出てきたと思います。
そしてどれも省くことのできない物でしょう。
ではひとつの「恐怖心」に対し出てきた複数の要因から、自分にとって重大なものを順番に選んでいきます。

例:
①「恐怖」
● 大き目のジャンプでスピンするのが怖い

②「分析」
● 成功する気がしない → Psychological(メンタル準備不足)、Technical
● 体の動きが悪い → Physical(体の準備不足)
● ジャンプの形が怖い → Environment

③「対策」
● Psychological → イメージトレーニング(成功するイメージ)の実践
● Technical → 小さめのジャンプ等で十分な基礎練習
● Physical → 十分なウォームアップラン
● Environment → 下見&ストレートジャンプ

④「優先順位」
搾り出した上記の要因から、自分が「これだ!」と思うものから順位を付けましょう。
犯人(主犯となる原因)を見つけたらもうこっちのものですよ!
主犯格からやっつけていけば、あなたの「恐怖」に対する準備は確実なものになっていくのです。



5.決意(プラス思考)

さて、十分な準備ができても「恐怖」から背けている目を再度まっすぐ「恐怖」に向かわせなければ行動に移すことはできません。
まずは行動を起こす前に以下を確認してください。

● それを実行する事により成長はもたらされるか?
● それを実行する事が実行しない事より有益か?

以上が「Yes」であれば「決意」しましょう!
なぜなら、この「恐怖」を乗り越えることは自身の成長を約束するものだからです。
そう考えれば全てをプラスに思考を切り替えることができるはずです。
「決意」は確実に自分の心にパワーを与えてくれますし、その結果「集中力」や「自信」を得ることになります。



6.イメージの浸透化

強い「集中」と「自信」を得た状態でプラスの成功イメージを脳に深く焼き付けましょう。

● リラクゼーション
● イメージ(プラスのイメージ)
● サイキングアップ

イメージ例:
● 一日の中でいつもリラックスできる時と場所をイメージし十分なリラックス
● スタートする前に仲間とハイタッチしている
● 自信満々でアプローチを下っている
● 下半身はストレートジャンプで経験しているタイミングに合わせて
● 上半身は小さめジャンプで覚えさせた運動をそのまま
● 空中では余裕を持ってリラックスしながらランディングを探し
● どっしりランディング!
● すぐ次のジャンプに目を向けてアプローチへ移る

以上を順番に、また何度も繰り返し行うことで「恐怖」は「自信」へと変わっていきます。



7.実行

実際に行動する前に(準備として)以下を実施しておきましょう。

● 関連した運動を似た状況下で基礎トレーニングを通して身体に経験させる
● イメージと実際の運動をリンクさせて脳と身体の神経(五感)に十分イメージを浸透させる

さあ、もう「恐怖」は「自信」へと変わったはずです。
いざ実行に移しましょう!!







FC2ノウハウ
2010.10
01
イメージトレーニング


正しくは「ビジュアライゼーション」と言います。
「イメージトレーニング」は和製英語らしいですよ。
技術系スポーツ(体操、スノーボード、フィギアスケートなど)ではトレーニング時間のほとんどをこのスキルに使っているのでは?と思うほど重要なメンタルテクニックですね。
具体的には「イメージ」ですから、要するに頭の中で物事を「思い浮かべる」というテクニック(スキル)です。

さて、唐突ですが「ラクロスのスローイングをイメージし、そのプレーを実際にやってみてください」と言われたとします。
できますか?
これができる人は過去にラクロスというスポーツを知っており、見た事があり、また経験したことがあるはずです。
しかしこれが出来なかった人はラクロスというスポーツを知らない、そのプレーを見た事がない。
つまり知らないし見た事もないから「イメージ」できないしプレーも出来ないわけです。

このようにイメージトレーニングの第1段階は

1.見る事
2.知る事

この2つから始まります。

例えばスキースクールでは、先生は必ず生徒さんにデモを見せますね。
映像(動作)を最初に眼から入れる事で「イメージ」を作るためです。

また野球部などで、一年生は球拾いをさせられる事が多いですね。
また職場でも雑用ばかりさせられます。
これは先輩がやっている練習(仕事)を見ながら、まずは動作(行動パターン)を情報として眼から入れるという「イメージトレーニング」となっているのです。
やる気に満ちている選手は球拾いをしながら先輩のスイングを映像として脳に焼き付けたり、「補給からスローイングのステップってああやるんだ」などと考えながら見ています。

どちらの例も「見て真似をする」という行動となります。
イメージトレーニングの初歩は、赤ちゃんや子どもが普通にやっている事と同じなんですねえ。

「百聞は一見に如かず」
こんな言葉もイメージトレーニングの初歩を深く納得させる言葉の一つですよね。


<雑談 1>

こんな面白い過去の実験結果もあります。
バスケットボールのチームを2つのグループに分け、それぞれに違うシュート練習を1週間試してもらい、最終日にその結果をみるというものです。

チーム1
●ただただ何度もシュートを打ち続ける
チーム2
●ゴール前に立ってボールの軌道をイメージしながら(ボールを使わずに)シュート動作の練習を続ける

さてどのような結果が出たと思いますか?
お察しの通り、どちらも同じような結果だったのです。

私の現場(スノーボード)でも似たような事が起きています。
不思議に思われるかもしれませんが、選手が一番「調子が良い」「伸びている」と感じるのは、なんとシーズン初めなんです。
長い間滑っていないのに、いきなりシーズン初めに調子が良い?
おかしな話に聞こえますよね。

これはオフシーズン中に、雪が無くとも気力&体力が充実した時期に多くの時間を使ってイメージトレーニングに集中していたからと推測できます。
滑っていなくても滑っていたくらいの効果が現れたということです。
みんなスノーボードが大好きなので、暇さえあればスノーボードの事を考えているわけです。
スノーボードの動画を観たり、スノーボードしてるように身体を動かしたり、来季のトリックのプランを考えたり。。。
駅のホームで傘を使ったゴルフスイングの練習をするサラリーマンの方(笑)も一緒ですね。
正にバスケットボールの話と同じく、イメージすることは実際に体を動かすトレーニングと同様の、時にはそれ以上の効果を発揮するのです。

上記の話を基に考えると、ケガをした場合もただ日々後悔しているのではなく、逆に「チャンス!」と思う事もできるのです。
また週末しか滑れない学生や社会人の場合でも同じです。
どれだけ平日にたくさんのイメージトレーニングを行ったかは非常に大きく結果に影響するでしょう。


<雑談 2>

こんな面白い実験結果もあるんですよ。
静かに座って目を閉じある動作をイメージするとき、節電図などで体を測定してみると、その動作を行うための筋肉が微量ではありますが反応を示すそうです。
つまり脳内で描くイメージが、自然と体中の神経に電気信号を発して生体反応を起こさせるという事です。
この筋反応はそのイメージがリアルであればあるほど大きくなるとか。
例えば、梅干を食べる!とイメージすると自然にヨダレが出るように。
スノーボーダーでは、夢の中でグルグル回ったという翌日に実際に回れるようになっていたとか。
よくある話ですね。
どちらも脳のイメージが体の神経反応を促した生体反応です。

人間の脳は右脳、左脳に分かれていて左脳は論理、計算といった系統だった物事を処理し、右脳イメージや空間認知を司っています。
上の実験結果や例は、右脳からその映像に見合った反応をするよう、各器官に電気信号が送られるようになるということです。
考えてみればごく自然なことですよね。



さて、「イメージトレーニング」は大きく以下の2つに分ける事ができるそうです。


1.客観的 

外から他人を見ているように自分や状況をイメージする(TVを観ているように、幽体離脱のように)

2.主観的

自分の内部感覚(目、鼻、口、耳、肌神経など)を通して得るものに集中&イメージする



上記のスキースクールや野球部のように、運動はまずは見た目を真似るところから始めますが、これはつまり「客観的」イメージと言えるでしょう。
またそれがしっかり身体感覚として理解できるようになってきたら「主観的」イメージを持てるようになったという事です。
まずはこの順番を理解しないと「イメージしろ!」と言われてもできるものではありません。

例:
憧れの選手の動画を見て構えやスタイルを真似してたら、バランスの位置が分かったし運動がスムーズになった!



ではここで私が現場で実際に選手に指導している「イメージトレーニング実践法」をご紹介しましょう。
上から順番に行っていきます。

1.リラクゼーション

これによりまずは頭の中の余計なスイッチ(不安、心配事、恐怖。。。)を全て切ります。
これにより脳はスポンジのような(何でも柔軟に吸収する)状態となります。

2.サイキングアップ

何でもいいので自分がワクワクする事を思い浮かべたり、見たり聞いたり話したりします。
これにより意欲(自発性)が生まれ脳へのインプットの準備が完了します。

3.集中

これからフォーカスしたい事を明確にし、その事にのみ脳のスイッチを入れる。

4.イメージ

① 動作分析(左脳
まずはイメージトレーニングの初歩「知る」を実行します。
やった事のないものはイメージしようがありません。
そこでまずはその運動がどのように行われているのか分析し、その運動(情報)自体を理解します。
映像やシークエンス写真を見ながら、その詳細を紙に書き出していきましょう。
自分で「HowTo」を書いているような感じですね。
これはイメージで使う「右脳」ではなく、情報処理などで使われる「左脳」を使います。

例:
● どの部位がどの方向にどれくらい動くのか?
● 目線はどこを見ているのか?
● タイミングはいつ?

② 映像インプット(右脳
次はイメージを司る右脳映像を記憶させます。
映像を頭の中で再生してみましょう。
更に何度も何度も映像(写真)を見て、目をつぶっても鮮明に詳細までも確認できるレベルまで繰返しましょう。

③ 感覚の理解
実際に体を動かしてみます。
鏡の前などで動きを確認しながら行う事が好ましいでしょう。
このとき、脳から発した信号(イメージ)と、実際に動いた筋肉運動との誤差を理解します。
筋肉からの情報を脳に戻すということです。
筋肉から戻された情報と、再度確認するイメージ映像から修正を行います。
要するに右脳左脳へ入っているデータと内部感覚を(鏡を前で)比較し修正します。

例えばお気に入りのスノーボード動画があって、その中で練習したいトリックが見れるのであれば、サイキングアップ集中、さらにイメージは一度に行う事が出来ますね。

こうやって「客観的」イメージは「主観的」イメージへと変わっていきます。
これを何度も繰り返し、自分が望んだような理想の生体反応を獲得する、それがイメージトレーニングのシステムと理解しましょう。

今回参考にさせていただいたサイト様「イメージトレーニング ~一人で行う自主トレーニング~」では以下のように言っています。

「イメージの鮮明度 → イメージのリアリティー → イメージの回数」

鮮明度は何度も繰り返し映像(写真)を右脳に焼きこむこと。
リアリティーは何度も真似をすること。
そして回数を重ねることでより「客観的」イメージが「主観的」イメージに近づくという事ですね。


<雑談 3>

私の現場には「主観的」イメージしか持たない選手もよくいます。
具体的な映像イメージ(「客観的」イメージ)がないので、要するに特定の「手本」という物を持っていません。
彼らはおそらく様々な過去の運動経験から似た感覚を引っ張り出し、目の前の映像(動画、デモなど)とその神経的内部感覚(「主観的」イメージ)を重ねているのでしょう。
ですからそのパフォーマンスはどこか無理やりに見えたり、スケートボード寄り(パフォーマンス結果とスタイルの両立)ではなく体操寄り(見た目よりパフォーマンス結果)な運動に見えたりします。
昨今のスノーボードは上手くて当たり前、どのようなスタイルで「かっこいい」と魅せるか、そんな時代です。
もちろんどんなスタイルでも自然な運動であれば高く評価されますが、スケートボード的なパフォーマンスが好まれるのは事実です。
過去の経験から、「主観的」なイメージ主導でスノーボードする選手にはなかなかスタイルを見ることはできないというは事実です。
しかし見た映像からいきなり「主観的」なイメージに入れるスキルというのは凄いスキルでもありますね。



この「客観的」&「主観的」イメージはさらに以下のように分けて考える事が出来ます。


① 内的外的イメージ

本来は「内的=主観的」「外的=客観的」と表されていますが、私の感覚ではこれらは同じ物とは考えません。
先に話した「主観的」イメージの中に内的と外的イメージ置くように捉えています。
「集中力」で紹介した侍の話などは、これに近い話と言えると思います。
分かり難い場合は無視して読んでください。

内的イメージ - 体の内部で感じる感覚
例:運動感覚、肌感覚(温度、圧力など)、筋肉への意識、力加減、タイミング、感情

ジャンプを抜ける瞬間の運動を感覚的にイメージする場合、また成功して喜ぶことをイメージしている場合、どちらも「客観的内的」イメージと言えるでしょう。


外的イメージ - 目から見えるもの、外部の状況
例:入ってくる映像、運動の進行方向(ライン取り、軌道)、距離感、音、香り、スピード感

バックカントリーで撮影しているスノーボーダーは、これから飛ぼうとするクリフ(ガケ)の上に立ち雪球を落とします。
これは自分が飛んでいく軌道と距離、時間をイメージする為にやっている「主観的外的」イメージですね。


② 時間的イメージ

スノーボーダーが日々取り組んでいる「イメージトレーニング」は、そのほとんどがトリック一つ、それも「抜け」の瞬間だけとか空中姿勢だけ、などです。
例えば抜けはキレイなのになかなか立てない選手は、聞いてみるとランディングのイメージをほとんど持っていませんでした。
お気付きかもしれませんが、こういった選手がイメージしている事の実質的時間は非常に短いですね。
これらをどんどん長い時間イメージでつなげる事ができると、それは「メンタルリハーサル」というものに変わっていきます。
以下のように分ける事ができるでしょう。

● 短いイメージ - 技術練習(ターンの形、ジャンプを飛ぶ瞬間、基本姿勢の確認など)、成功した瞬間の感情
● 長いイメージ - ライディング1本の流れ、試合の流れ、一日の行動パターン

先に書いた選手のように、どんどん時間的に長いイメージを持てるほど、その完成度が高まっていくのは明白です。


③ 運動スキル? 感情コントロール?

ある調査では、イメージトレーニングは運動経験が浅いほど「運動スキルの向上」に、運動暦が長いほど「感情のコントロール」や「集中力の向上」に使われていると言っています。
技術(運動)が安定してくると心には余裕が生まれ、そこから余計な事を考え始め、集中力を別のところに使う事で感情を揺さぶられる原因となるのです。
そこで心理的コントロールが必要になり、また「イメージトレーニング」を利用するのです。
このレベルになると技術的イメージと同時に感情もイメージすることになります。
この「心理的」とは正に感情のコントロールですから、過去に書きましたメンタルスキル(目標設定、リラクゼーション、サイキングアップ、集中、ポジティブ思考)をイメージトレーニングを通して実践するという事になりますね。

● 目標設定
取り組んでいるトリック一つ一つや、1ヶ月後の短期目標、シーズン半ばの中間目標、シーズン終わりもしくは数年後の長期目標。
これらそれぞれの理想の状態を鮮明にイメージします。

● リラクゼーション
自分の心が落ち着くときはいつですか?
夜自宅のソファーに座っているとき?
お風呂につかっている時?
おいしいディナーを食べて好きなお酒を飲むとき?
夕日を見ているとき?
こんな状況を自分で知っておき、リラックスが必要なときにそのイメージを呼び起こしましょう。

● サイキングアップ
同じように、自分がワクワクする時を思い起こします。
週末の予定?
がんばった自分へのご褒美?
成功して大喜びしている自分と周囲の人たち?
デート?
こんな状況を自ら作って、気持ちが上がらないときにイメージを呼び起こしましょう。

● ポジティブ思考
行くべき方向に向いていない心の矢印を、行くべき方向へ真っすぐ向かせるイメージを持ちます。
物事に取り組む際に、その行き着く結果の中にプラスの結果を見つけ出し、それを鮮明にイメージします。

● 集中
余計なことが頭に浮かばぬよう、シンプルな一つのことを頭に浮かべます。
目をつぶってロウソクの炎や漢字一文字、絵や写真をじーっと見つめるのも集中を得るイメージ法の一つですね。

最近は「残像イメージ」というトレーニング法もその一つとして知られるようになってますね。
動画を観ながら運動のイメージを作るように、未来の状況をイメージできる「絵」を凝視することは、前者と同じく右脳に強く働きかける事となり、成功を収めるための重要なイメージテクニックと言えます。
条件反射のような自己暗示テクニックですね。

また元水泳オリンピックメダリストの田中雅美さんも練習の時からイメージを使って感情のコントロールをしていたとのことです。




<雑談 4>

効率の良い記憶、暗記を実現したい場合、いつがベストか知ってますか?
それは寝る前です!
寝ながら情報の整理(デフラグメント?)を行うので、起きた時にはしっかり情報が整理された状態で記憶されているとの事です。
ですからイメージトレーニングも寝る前にやった方が効率が良いと言えないでしょうか。
寝る前はリラックスしていますし、先に書いたように脳はスポンジのように柔軟に吸収する準備が出来ています。
夢で凄いトリックができてしまったというのは以上の効果が最大限に出た結果かもしれません。
ただし、あまり熱中すると脳が活性化され過ぎて眠れなくなりますのでご注意を!




<雑談 5>

コーチとして選手を見るとき、まずはその選手の感覚を理解するよう努めます。
そうすると彼らの内部感覚を理解するため、彼らのライディングイメージの中に入り込まないといけません。
その時の彼らのパフォーマンスを頭の中で映像として思い起こし、そして次にその運動を真似しながら内部感覚を感じます。
ある程度過去に自分が似たような運動経験がないとできない事かもしれません。
陸上コーチとして名の高い高野進さんも同じように言っておられました。
これもコーチとしての適切なアドバイスを可能にする大事なスキルです。
これで逆に自分ができるようになったりもしますからね。本当です。




<雑談 6>

恐怖心の克服(距離感、スピード感、タイミングなど)もやはりイメージトレーニングで可能と言えるでしょう。
恐怖は初めて挑むことへの不安や、過去の失敗経験から引き起こされます。
要するに成功するイメージが持てないことが不安となるわけですから、イメージの中でとにかくクッキリと頭の中で映像が見えるほどに成功イメージを描き続ける事が大切です。
失敗イメージが頭にまとわり付くなら、早急にイメージの修正を行わなければいけません。
ここが非常に重要となります。
このイメージの修正が完全にできないままパフォーマンスに臨んでしまうと、体は思うように動かずに、また失敗経験をすることになるのです。




<雑談 7>

もイメージのひとつですね。
先にも話しましたが、夢の中で成功したことのないトリックができたとします。
翌日そのまま体が感覚を覚えていて実際にできてしまった、というような話はよく聞きます。

また妄想というものがありますが、これは想像より強い脳内でのイメージです。
「できるかもしれない」ではなく「そうなる」と完全に信じている状態です。
こういう人間の集中状態行動力は凄まじいもので、逆に成功はこういった人間でなければ達成し得ないと言えるでしょう。
皆さんの過去の経験を振り返ってください。
何かを達成したときは、その前に完全にそれを信じきった「妄想」状態ではありませんでしたか?

保護者指導者の方へ>
子供や選手が未来の目標(夢)を話すときは、「そうなる」と信じ込ませる「妄想」状態に持っていってあげることが好ましいですね。
仮に目標に届かなくても、そこまで継続して頑張ることで、子供たちは「集中力」や「強い意思」を持ち続けるという、人生を生き抜く重要なスキルを身に付けることになります。




<雑談 8>

よくトップアスリートのインタビューで、「練習は常に本番をイメージしてます」という言葉を聞きます。
本番をイメージ(想定)した練習というのは、主観的&客観的、内部&外部、短い&長い、全てのイメージを極力本番に近い状態に持っていけるということになるでしょう。
これはより心理的イメージを多く経験する事で、より深い集中力を得ようとすることと言えるでしょう。




<雑談 9>

イチロー選手の言葉。
「気持ちも、尊敬している人になりきる。いつも、だれかになりきっていました。」
自分と尊敬している人をイメージで完全に重ね合わせていますね。
これは強力なイメージです。
「なりきる」という状態は、尊敬している人をよく分析して知っていなければ詳細まで真似できません。
そういう人を心の中に持っていますか?




イメージ映像は、経験したことはもちろん、自分が経験していないことでも描くことができるのです。
これは、脳がイメージをするために、過去の類似した経験の引出しをさがし、それを応用して描こうとするイメージ作りの手助けをしてます。

先に触れたように、五感から感情まで全てをイメージのなかで再現できるようになるまでは、かなりのトレーニングや努力も必要です。

イメージのもつ力は大きなものがあります。
「イメージの鮮明度の高さ=リアリティ=実現」ということが言えるのだと思います。

ただ理想を追うのではなく、現実的に自分に何ができるか、何をすれば自分の能力をより生かすことができるのか?
過去の記事「目標設定」でも話してますが、まずはそういったことを確認しましょう。

そして実現可能か可能でないか、ギリギリのレベルの目標を持ち、その目標となる対象をより鮮明にイメージするのです。

そして「妄想」状態に入ることができれば、もう大丈夫です!
無茶のないよう確実なプランの上このイメージを実行まで持っていきましょう!




FC2ノウハウ
2010.08
28
セルフトーク


直訳だと「自分で自分に話しかける」という事ですね。
これは「自己暗示」テクニックと言えるでしょう。

以前もお話しましたが、人間が何かを作り上げたり何かが起こるときには、以下のようなシンプルな過程が順番に起こります。

① 思考 (考え)
② 言葉 (言葉に出す)
③ 行動 (行動を起こす)

セルフトークはこの中の②ということになりますね。
言葉のパワーは非常に大きく、最初に発生する①思考がどうあれ、この言葉によって考えも変えることが出来ます。
もちろん③行動に大きく影響する事は明白です。

例:
① 日課にしているトレーニングが面倒くさい。。。(思考)
② 「自分は今から全力でトレーニングします!」と声に出して宣言(言葉)
③ ジムに行って全力でトレーニング(行動)

このように言葉にしてしまうと、もう言った事をせざる得なくなります。
また言葉が「しなければいけない」という暗示を自分に掛けることにもなります。
要するに言葉で思考をコントロールするということです。

またこのような例もあるでしょう。
① このジャンプ大きくて怖い。。。(思考)
② 「できる!俺は決める自信がある!」(言葉)
③ イメージ通りに飛ぶ(行動)

かなり消極的な思考でしたが、言葉によって不安を打ち消しています。

お気付きかもしれませんが、以上の例は言葉がどちらもポジティブですね。
思考がネガティブでも言葉をポジティブにしてしまうと思考もポジティブな影響を受けています。

これは自分で発している言葉が自分の耳に入る事で、まるで他人に言葉を掛けられているような心理状態になるからでしょう。
ようするに「自己暗示」ですね。


<雑談>

イチロー選手がワールドベースボールクラシックで勝ち越しタイムリーを放つ直前、あまりの恐怖で突然実況中継を始めたそうです。
これは不安で潰れそうになった思考を、言葉(実況中継)によってまるで他人事のような状況を作り出しストレスを軽減させ救ったと考えられます。
言葉のパワーというのはスゴイものですね。


さて、もちろん思考がポジティブになれれば尚の事良い訳ですから、やはり普段から「プラス思考」はトレーニングしておきたいですね。
できない場合は以下をセルフトークのポイントとして覚えておくと良いでしょう。

● プラス思考
● 元気良く
● 楽しい言葉
● 自分の気持ちがのる言葉
● 他人をものせる言葉
● 良いパフォーマンスができる言葉
● 気持ちが切り替わる言葉
● 自信が持てる言葉

実はこれらには他のメンタルスキルにも関係があるのです。
言葉を話すという事は息を吐くということですから、「呼吸法」から言っても力を発揮するスキルと言えます。
また言っている言葉に集中すれば「集中力トレーニング」にもなっています。
言っている事は暗示を掛けるので「目標設定」にもなります。
その内容が具体的であるほどプランとなり「イメージトレーニング」をする事にもなりますね。
さらに、「大丈夫」「落ち着け」「リラーックス」などの言葉を吐けば、もちろん「リラクゼーション」にもなります。


さらに以下のようなこともセルフトークの効果を上げる事となりますよ。

● 鏡の前で
自分を他人のように見て話しかけます。
鏡に映った自分も他人のように自分に話しかけてきます。
自信のなさそうな顔もどんどん自信に満ちた顔に変わっていきます。
笑顔がベストです。

● 自信がありそうな姿勢と態度をとる
人間は見ればその人が自信を持っているか否かは大体分かりますね。
姿勢が大きな要因です。

● 何度も何度も繰返す
ポジティブな言葉を何度も繰返す事で暗示効果が高まります。
さらに息を吐き続ける事でどんどん力が湧いてきます。

● どんどん声の大きさを大きくしていく
呼吸法と同じですが、吐く息が強くなる程、力が出ますね。
また大きな声で自分自身を発奮させる事にもなります。

● 「サイキングアップ」との併用
音楽を聴きながら。
ダンスやシャドーボクシングをしながら。
他人との会話を通して。
成功するイメージと一緒に。
過去の記事を復習してみましょう!

● 朝一番の元気なあいさつ
一日の始めをどのように作るかで、その一日は大きく結果が変わります。
また朝あいさつされて気分が悪い人はあまりいません。
周囲の気分を高める事は、即ち自分の環境もポジティブに整えることとなります。
「今日も元気にいきましょう!」などと言うのは、人に話し掛けながら自分に言い聞かせていることにもなっています。



なかなか回りに人がいると恥ずかしくてできませんが、まずは自分しかいない状況ならできるはずですから、朝起きた鏡の前から始めてみましょう。




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2010.07
19
サイキングアップ


今まで出てきたメンタルスキルは普段からよく聞く言葉でしたが、どうも今回は聞き慣れない言葉が出てきましたねえ。
でも結構皆さん普通に日々やっている事かもしれません。

どんなメンタルスキルなんでしょうか?
これは簡単です。
ワクワク感など気持ちを高めたい時に必要なテクニックです。
リラクゼーションの逆に作用するわけですね。

下のグラフも以前紹介しましたが、要するに縦に3分割してある真ん中のエリアで興奮レベルをコントロールできれば安定したパフォーマンス発揮が可能であるということです。

「サイキングアップ」は気持ちを高めるスキルですから、要するに興奮状態を上げるスキルということです。
ですから程よい興奮レベルにある気持ちをより高めると、グラフ上ではどんどんパフォーマンスを下げるという事になります。

メンタル 興奮レベルとパフォーマンスの相関図

と言う事は、「サイキングアップ」はグラフの左、つまり興奮状態が低い時に使うと効果的という事ですね。

しかし自分の程よい興奮状態を知らないと興奮し過ぎてベストパフォーマンスのレベルを通り越してしまうかもしれません。
どこまでも気持ちを引き上げれば良いわけではなく、ベストパフォーマンスを引き出すレベルでコントロールできないといけないのです。

分かりやすい理想の興奮レベルは「たのしい~!」という時や、何かを長時間集中して出来た時の心理状態でしょう。
子供が「無我夢中」で遊んでいる時は正に理想の興奮状態と言えるでしょうね。
脳内では「ドーパミン」(快感ホルモン)という物質が分泌されると脳が活性化され、どんどん「やる気」が沸いてくるそうです。
以前「思考力」でも書きましたね。
要するにこの状態を作るメンタルスキルを「サイキングアップ」と言うのです。

例:
● 朝から何をやっても上手くいかない
● 天気が悪くて外に出るのも気が進まない
● 大会のコースや対戦相手が手ごわそうで自信を失くした
● 自分のやりたい事ではないが、やらなければいけない
● 気持ちが疲れているが、人前で話さないといけない

生活していればいくらでもぶつかるネガティブな状態ですね。
どう考えてもこのまま放ったらかしておいたら良い結果は出ないと想像できます。

覚えておいて下さい。
このサイキングアップというテクニックは、このようなネガティブな状態でしか練習できないのです。
「ポジティブ思考」と一緒ですね。

このネガティブな状況で気持ちをどんどん上げようというのですから、それはそれは大きな心のパワーが必要となります。
この状況は心にパワーのない状態ですから、何もやる気にならないのは当然なのです。
ですからこのパワーをどこかからもらってこないといけない訳です。

そのパワーは以下のような方法で得る事が出来ますよお!
キーワードは「好きなこと、楽しい、面白い」です!


1.音楽

これを聴くといつもやる気、元気が出てくる!という音楽はありませんか?
また最近はこれが自分のお気に入りで毎日朝から聴いているとか。
普段から自分がよく聞く音楽は、聴けば聴くほどその時の状況と一緒に脳に記憶されます。
そして次回同じ曲を聴いた時に脳が条件反射を起こし、その時の気分も思い出されるという効果があります。
よく音楽を利用する方であればこのような経験をたくさんされていることでしょう。
また、耳から入る音が大きいほどそちらに集中を奪われ、それまで頭の中にあった「思考」は一時停止しその音に聞き入ってしまうでしょう。
そして自然に身体がそのリズムに反応し始め、最終的に心にもそのリズムが作用するのでしょう。
ロッキーのテーマ、また運動会の駆けっこ競争の曲などは良い例ですよね。

2.会話

ポジティブな会話や笑いのある会話は気分を高めてくれますね。
話すと必ず自分を「ハッピー」にしてくれる人っていませんか?
その方はネガティブな会話をしてますか?それともポジティブな会話ですか?
そしてその時お互いの顔は怒っていますか?無表情ですか?笑顔ですか?
もちろんポジティブな会話と笑顔のはずです。
自分がそうであれば相手もその影響を受けますから、できるだけ自分からポジティブな会話をしたいですね。

3.映像

写真や動画を利用して気持ちを高めていきます。

例:
● 好きなスポーツの動画
● 笑える写真
● コメディー動画
● 好きな映画のシーン

笑えたり、やる気を促す物を選択します。
私の現場では山に上がる前にスノーボード動画を見る選手が多いですね。
イメージと一緒に「のれる」曲が聴けるので一石二鳥です。
山の上で上手くいかない事があって落ち込んだならば、笑える写真や動画は脳をリラックスさせ、再度やる気を持つキッカケを与えてくれるでしょう。

4.運動

心と体が一体になる感覚が持てれば最高です。

例:
● ダンス
● リズミカルなウォームアップ体操(ステップなど)
● シャドーボクシング
● ジブトリックイメージ

体にリズム感のある運動をさせて脳や心をそのリズムに合わせていきましょう。
音楽が一緒であればより効果的でしょう。

5.イメージ

物事が上手くいくイメージを持ち、気持ちを高めていきます。
またその先に確実にある「楽しい事」をイメージする事も、目の前の状況を楽しく取り組めるコツでしょう。

例:
● トリック(技)イメージ
● 成功して喜んでいる自分のイメージ
● 普段見ている「気持ちが高まる」スノーボード動画のイメージ
● 週末、月末に予定している楽しい事(旅行、外食、デート、ショッピングなど)

6.目標(目的)設定の見直し

以前も紹介しましたが、イチロー選手は打率よりも安打数にこだわりを持っています。
イチロー選手いわく、打率はいつも上下するので打率を意識すると打席に立ちたくなくなるそうですが、安打数は打てば打つだけ増えていくので「やる気」を保つ事ができるのだそうです。
「目標」を変えることで「やる気」を高める良い例ですね。

私の現場でも、同じ事をやらせるにも「何の為にこれをやるのか?」を違うものに置き換えるだけで「やる気」を回復させた例はよくあります。

例:
日々のトレーニングが面倒くさい。
これは単純に「やらされてる」感がそう思わせると考えます。
そこで「この夏にビーチで女性の眼を引くようなマッチョになった自分をイメージしてみろ!」などと言うとモリモリと「やる気」を見せたりします。



さて、お気付きかどうか分かりませんが、日本のマンガには多くの「サイキングアップ」テクニックが出てきます。
主にスポーツマンガにはこのような要素が強いですね。
主人公が自信を失くし掛けるのですが、何かでキッカケをつかんで「やる気」を回復したりします。
よく見るマンガのストーリーではありませんか?
マンガからも多くのメンタルテクニックを学ぶ事が出来るのです。
子供にマンガやヒーロー物を見せてあげるのは、メンタル強化という意味でも非常に効果のあることと言えます。


気持ちが上がらない時にこの「サイキングアップ」を利用して「元気」な自分を作りましょう!
これもなかなか難しいですが、この気持ちが上がらない時こそ最高のトレーニングチャンスなのです。
朝から気持ちを高めて楽しい「やる気」のある自分を作れたら、素晴らしい一日を過せることは間違いありません。
周囲の人もそんなあなたから「パワー」をもらって、気が付くと非常に活気のある環境が出来上がっていることでしょう。

「やる気」は自発性ですから、脳の活性化によって学び効率もグンとアップしますよ。

早速今日から実践し、その効果を実感してください!!



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2010.07
07
「自信」を考える


まず最初に、私は心理学の専門家ではありません。
このテーマを人にお話しするような知識も全くありません。
今回は私がこの「自信」を勉強する過程を皆さんと共有しながら考えて行きたいと思います。
どうぞお気軽にお付き合いくださいませえ。

まず今回この記事を書くにあたって参考にしたサイト様を紹介しておきます。
こちらのサイト様からたくさんの文章や言葉を引用させていただいております。

「カウンセリングサービス」

「自信がない人が自信を持つために(自信のない人ほど自信を持てる)」




さて早速ですが、「自信」をインターネットの「ウィキペディア」で検索すると以下のように表現されています。

『人間が「自らの能力、知識、信念」などを信頼している精神の状態を意味する。
自信があればうまくいくと自分を信頼し、未経験の領域に挑戦する場合でも自己不信や戸惑いを克服することができる。
自信を獲得するためには家族や他人との人間関係、社会の中での生活などを通じて、経験を蓄積しながらそこから得られた知識や教訓を建設的に活用しなければならない。
つまり自分がうまく物事を進める力量の結果として自信は内面化される。
洗脳や催眠といった手法でも自信は獲得できるとされるが、実際の行動で問題となる可能性が高まる。
自信の影響力は大きく、それは人生観や生き方を方向付けることがある。
スポーツ選手などの身体能力も自信によって引き出される可能性がある。
一方で自信過剰は慢心や驕りになる危険がある。
逆に自信喪失すると、思考は停滞して行動は消極的となる。』



「自信」というのは「自分を信じる」と書きます。
だから「自信がない」=「自分を信じられない」といえます。

北米のスポーツ心理学のコースでは、何かに取り組む時「自信」を持つことは、自分の持つ本来の才能以上にパワフルな感覚を覚えると言っています。

皆さんは自分を信じていますか?
そんな事考えた事もありませんか?
もしそうであれば非常に羨ましいですね。
私などは自分に自信がない場面に日々直面しております。(笑)
根拠もなく自信を見せている人もよく見ませんか?
なんでそんなに自信を持てるのでしょう?

<参考に>

私はここまで自分の抱える選手の「自信」というところにはほとんど気付かずに指導してきました。
誠に恥ずかしいことです。
その雰囲気には気付いて、話し合いをする中で本人を軌道に戻すまではできましたが、そこから勢いをつけて前進させるほどの事はできなかったと思います。
しかしカナダのコーチングコースでは、メンタルトレーニングを考える時にまず「自信」について触れられていました。
私が「自信」を勉強せねばならないと気付いたキッカケです。

振り返ってみれば私の現場にも自信を持っている者、持っていない者、様々いました。
明らかに言えるのは
●「自信を持っている = 迷いが無い = どんどん前進する」。
●「自信がない = 迷いがある = なかなか前に進まない」
という事です。
これを長期的に考えた時、その先にある結果の大きさは想像できると思います。
早く気付いて指導すべきだったと悔みます。
この「自信」を自分でしっかり理解し、これから大いに選手の役に立ちたいと思います。



では、人はどんな時に自信を持てないのでしょう?
思いつくだけ書いてみましょう。
例えば。。。

● 仕事で失敗してしまったとき
● 恋人に振られてしまったとき
● 物事がうまく行かないとき
● 試験に失敗してしまったとき
● 誰かを傷つけたとき

すなわち、分析するとこのように言えませんか?

● 自分の決断が求められる物と食い違ったとき
● 自分が他に受け入れられなかったとき
● 成功のイメージが頭に浮かばないとき
● 自分の努力が思うような結果につながらなかったとき
● 自分を「有害」なものであると感じたとき
● 他人に意見を否定されたとき


さて、ご自身が小さな頃を思い出してください。
また身の回りの赤ちゃん、3歳児を観察してください
自信なさそうだなあっていう幼児を見たことありますか?

考え方によっては「誰でも幼い頃には自分に自信があった」と考えることができませんか?
そうするとその後の成長プロセスの色んなところで自信を失う何かがあなたの身に起こったのではないでしょうか。

例:
● いじめ
● 仲間はずれ
● 常に厳しい保護者の態度
● 親や大人に誉められた経験が少ない
● 上手くいった事を見てもらった経験が少ない
● 学校などで友人に否定された記憶が深く残っている
● 頑張っても結果が出ない多くの経験が記憶に残っている
● 努力を評価してもらった経験が少ない

こんな経験を多く積むほど、どんどん「自分の考えや行動は間違っているのでは?」と疑い始めるのではないでしょうか。
この自己否定が連続的に、また定期的に起こったとしたら。。。
人間は「忘れる」ようにプログラムされた生き物だそうですが、同じ経験を何度も何度も繰返せば、記憶の奥底に刻まれるのは仕方のない事です。


こんな風に自信の無さは。。。

● 家庭 (両親からの愛情を感じられない)
● 学校 (勉強、遊び、先生、友達、先輩)
● クラブ (体格、技術、友達)

このような環境で、失敗や喪失を繰り返すうちに作り上げてしまうようです。
そして以下のような感覚を持つ事になるのです。

● 失敗感
何かをしようとしたときに「また失敗してひどい目にあうんじゃないか?」って恐れてしまいます。
● 喪失感
また何かを失わないように慎重に物事を進めたり、誰かにしがみついて執着してしまうかもしれません。
● 劣等感
自分は劣っていると感じている分だけ、誰かからの否定や攻撃を恐れます。
また、「どうせ無理だから」と諦めも早くなってしまうでしょうし、常に誰かと比較しながら自分が間違っていないかを意識してしまうかもしれません。
● 嫉妬感
その相手の持っているものが自分には手に入らないと思うことから始まる感情ですね。
自分自身に自信を持つことが出来たならば、嫉妬は賞賛に変わります。
● 自己嫌悪感
失敗した自分、劣等感を感じている自分を「駄目だな」と嫌悪し、攻撃してしまいます。
● 卑屈感
自分に自信がないことで物事に対して卑屈になってしまいますね。
自分の魅力をどんどん封じ込めてしまうものです。

これらに共通するのは、自分の意識が常に自分以外の誰かに向いていることです。
例えば。。。

● 他人と比較する(競う)
● 他人の評価を気にする
● 他に「受け入てもらえない」というイメージ

その結果、

● 対人関係が苦手
● 恋愛がうまく行かない
● 言いたいことが言えない
● 仕事の成績が上がらない
● 自分のしたいことが分からない
● 無気力になってしまう
● 将来に対して不安がある

このような問題が現実化してしまいます。
大人になってからこんな現象に気付いて「これは生まれ持っての性格だし。。。」などと納得して仕方ないという事にしてませんか?


<保護者の皆さまへ>

もうお気付きでしょうが、「自信」というスキルは家庭環境に非常に強く影響されます。
先に紹介した「ウィキペディア」にも書いてありますが、自信は「人生観や生き方を方向付ける」ほど重要なスキルです。
一日24時間の中で一番多くの時間を共有する身近な存在は「家族」です。
また「保護者」は子どもが手本とする最初の人間ですから、その言動は非常に強い影響力を持っています。
つまり保護者の言う事を「信じる」わけです。
仮に、ただただ厳しく育て怒ってばかりいたとしたら、子供は「いつも怒られてばかり。自分はダメな人間なんだ。。。」と「信じる」わけです。
また上手にできた事を親が見てくれない、褒めてくれない、聞いてくれない。
こんな状況が続けば「何のためにこんな事やってるんだろう?」とか「自分て何やっても大した事ないんだな。。。」など考え始めますよね。
つまり「自信喪失すると、思考は停滞して行動は消極的となる」です。
逆に全く子どものやる事を手放しで何をやってもただ笑って見ていたとしたら、子どもは「自分の考えや行動は常に間違っていない」と「信じる」でしょう。
これは「自信過剰は慢心や驕りになる危険がある」と言う事になります。

保護者として以下のような事を常に気にして欲しいと思います。

● とにかくいつも子どもを見てあげる
● 子どもの努力や成功は見逃さずに大小関係なく称えてあげる
● 失敗しても何が上手くできたのか誉めてあげ、次の課題を互いに話し合う
● 子どもの話しは誰よりも真剣に聞いてあげる
● 簡単なこと(遊びなど)でリーダーになる機会を与えて上げる
● 間違った言動はしっかり教育してあげる

これらを家庭で実践できれば、子どもが外で自信を失う様な事が起きても、すぐ自信を取り戻すでしょう。

正に過去の記事「才能?努力?環境? ③」で話した事に直結する重要な話です。

また子どもだけの話ではなく、大人になっても身の回りの友人、家族、同僚など、様々な人を以上の知識を持った上で接する事ができれば、その人の良い所を引き出し、さらに良い付き合いもできるというものです。
大人でも小さな頃からの経験が元で「自信」を失くしている人は多いでしょう。
しかしこれは「性格」ではなく「スキル」です。
「スキル」は「才能」に関係なくトレーニングで身に付けるものです。
その方法は次回ご紹介します。



次回は「自信回復法」を考えていきます。


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