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カナダでスノーボードとコーチング

カナダコーチング学から学んだこと、現場でのコーチング経験を通して感じたこと、そしてスノーボードあれこれについて発信していきます。

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プロフィール

高石周(Shu)

Author:高石周(Shu)
カナダ(ウィスラー)でスノーボードコーチとして活動しています。
主にコーチングとスノーボードについて自分が学び感じたこと、またウィスラーの現地情報を発信していきます。
子供の育成に関連した情報もアップしていきます。


[スポンサー/所属]
 
・VOLKL スノーボード
・FLUX バインディング
・CROSS5 スノーボードブーツ
・WEST BEACH スノーボードウェア
・Whistler Gymnastics
・Whistler Youth Soccer Club


[資格]

* スノーボード
- CSCP Basic Coach
- CSCP Comp Intro Coach
- CSCP Comp Dev Coach
- CASI Level 2 Instructor
- Canada~Snowboard Judges Level 1 Officials

* スポーツ心理
- NSCA Exercise and Sports Psychology

* ジムナスティック(体操)
- NCCP Gymnastics Foundations Part 2 Theory
- NCCP Gymnastics Foundations Part 3 Artistic
- NCCP Gymnastics Foundation Part 3 Trampoline

* NCCP(ナショナルコーチングサーティフィケイトプログラム)
- Part A
- Part B
- Make Ethical Decisions

* サッカー
- NCCP Soccer Community Coach Children
- NCCP Soccer Community Coach Youth

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2010.11
28
先回まで、どのように大きな回転力を得るのかを、上半身&下半身&体幹の使い方で考えてきました。
今回もテーマは「スピン」。

そしてフォーカスするのは。。。


「スピンで腕を有効に使う」


アイススケートではスピンを掛ける時、広げていた腕は飛んだすぐ後、体に巻きつけるように畳込んでしまいます。
スノーボードではまったく同じようなことはしませんが、スピンを掛けるときは腕を広げてから回す人が多いです。

この上半身だけの回転運動は、回転力を付ける要素の一つで全てではないのですが、これはどういうことなのか?考えてみましょう。
「スピン」を考える上で無視できない「物理」を勉強しながら話を進めていきます。

今回は私も理解するのに非常に苦労しましたが、こちらのサイト様の非常に分かりやすい解説で、何とかスノーボードに応用できるレベルまでは理解できました。
しかしながら「物理」が表現したい事を正確には応用していません。
勝手にスノーボード用に理解しやすいように書き換えていますので、少々ずれているところもあるかと思います。
そこは目をつぶってお許しください。

以下の文章はこちらのサイト様を参考に書いた物です。
それでも少々難解かもしれませんが。。。

Torque_animation.gif




<運動量>

運動量とは運動の勢い、激しさを表す値です。
運動量Pは、質量mに速度vをかけたものをいいます。

● P = m × v

上の式から物体の質量が大きいほど、また物体の速度が大きいほど、運動量が大きい、つまり運動の勢いは大きいとわかります。

● 「速度」の大きさは「運動量」&「慣性」に比例する

と言えるのであれば、ボールの質量はともかく、そのボールをどれだけ速く投げるかで、そのボールに掛かる「運動量」は決まると言えます。
当たり前ですが、速いボールほど当たったら痛いと言う事です。
少し乱暴ですが、これをスピンで考えた時は、振り回す腕(手)がボールで、その腕(手)をどれだけ速く回すかで、その回転力が決まるとなります。

● 「質量」の大きさは「運動量」&「慣性」に比例する

これも計算式上で正しい理論ですから、腕や手が重い人ほど、振り回した時の回転力は強いとも言えます。
もし手に重みのある物を持って振り回せば、持っていないよりも回転力は強いということになります。
それとも腕だけマッチョになりますか?!




<角運動量>

これは上記の運動量を回転運動で考えたとき、このように名前が変わるだけだと考えてもらうと簡単でしょう。
「回転運動量」とか言えば簡単なのに。。。

さて、運動量が直線的な運動に対する「運動の激しさ」であったのに対して、角運動量は回転の運動に対する「運動の激しさ」を表す値です。
角運動量Lは、

● L = I × ω 

と表すことができます。
運動量の計算式「P=mv」と角運動量の計算式「L=Iω」は同じように考えられるので、これらを比較すると「mとI」、「vとω」がそれぞれ同じ存在と言えます。
このI は「回転の始まりにくさ」や「回転の止まりにくさ」を表しています。
またI は「慣性モーメント」と呼ぶんだそうですが、要するに運動量では質量と同じ存在となります。
つまりI が大きいと回転しにくいことがわかります。
大きいとは重いということですね。

ω は運動量のvに当たりますので、単純に速度と考えてもらえば良いでしょう。
本当は「角速度」と呼ぶそうですが、要するに「一秒で何度回転するか」ということだそうです。

しかしながら回転運動が上記の直線運動と違うのは、軸からどれだけ離れたところで回転するかで、その「回転の始まりにくさ & 止まりにくさ」や「速度」が変わってくるという事です。
ここが「運動量」と「角運動量」の大きな違いですね。

そうすると、
● 角運動量 = 運動量 × 半径
となりますね。

角運動量 = 半径 × 運動量 ですから、
● L = r ×

であり、運動量 = 質量m × 速度v をこれに当てはめると
● L = r × (m ×

さらに、速度 = 角速度ω × 半径r も当てはめて
● L = r × m × (ω × r)

この計算式をまとめると
● L = mr2ω  
となります。

回転半径を考えない角運動量「L=ω」と、回転半径を考慮した角運動量「L=mr2ω」を見比べると「I=mr2」で表せることがわかりました。
つまり「重いほど、また回転の中心からの距離(半径)が長いほど」慣性モーメント(回転運動の始まりにくさ & 止めにくさ)の値が大きくなります。

ああ難しい。。。

これをスノーボードのスピンで考えてみましょう。
まず回転半径を考えずに、運動量と同じように角運動量を応用するなら、先ほど運動量でも書いたように、
● 回転力 = 腕の回転速度 × 腕(手)の重さ
となります。

これに回転半径を加えると、
● 回転力 = 腕の回転速度 × 腕(手)の重さ × 腕(手)を回す半径の大きさ(2乗)
となります。

まとめましょう。
腕を広げて回転を始動するのは、腕を縮めて始動するより回し難いと分かります。
腕が体の近くにあった方が、体を回転させるには軽いのも分かりますよね。

ではなぜ腕を広げるのでしょう?

それは腕を広げた状態で付けた回転運動は、止め難いという性質も持ち合わせるからです。
止め難いとは止めるのに大きなパワーが必要ということですから、つまり強い運動量(回転力、本当は角運動量)を持っているということですよね。
なぜなら、「腕(手)を回す半径の大きさ」は計算式上では2乗ですからね。
この部分を大きくすることが、最も効率の良い回転力(角運動量)を得る方法となるわけです。
体が軽くても腕が長ければ得なんですね~。

さらに計算式の通り、腕(手)の重さが大きい場合、また腕を回す速度が速い場合、この2つが加わったらその回転力の強さは自ずと大きくなる事は理解できます。




<角運動量 保存の法則>

これを非常に簡単に説明しますと、回転運動が半径の外から内、または内から外へと移動しようが、その運動量(角運動量、回転力)は変わらず保存されて(保たれて)いるという事なんだそうです。
正しくは「外力が働かなければ、角運動量は一定に保たれる」ということだそうです。

例えばアイススケートでは、広げていた手を内側に引き寄せることで回転スピードを急に加速させているように見えますね。
逆に回転した状態で腕と脚を伸ばしてみます。
すると回転のスピードが遅くなります。
アイススケートではこれを繰返しても回転の勢いは変わりません。

これは上記の「角運動量」の計算式から説明が付きます。
腕と脚を伸ばすと、角運動量
「L=ω」
の中の慣性モーメント(回し難さ、感じる重さ)
=mr2」
の値が増えます。
なぜなら手と脚を伸ばすことによって、体から伸ばした分の腕と脚の重さm、体から腕の先&脚の先までの長さrが増えるからです。
慣性モーメント(回し難さ、感じる重さ)I の単位はkg・m2(キログラムメートル二乗)で、重いほど、また回転の中心からの距離(半径)が長いほど、慣性モーメント(回し難さ、感じる重さ)の値が大きくなるのは分かりますね。

ここで角運動量保存の法則により「L=Iω」は保存される、つまりI(回し難さ、感じる重さ)が大きくなればωがその分小さくなり(イメージではL=ω)、逆にω(速度)が大きくなればI(回し難さ、感じる重さ)が小さくなり(イメージではL=Iω)、Lの大きさを一定に保存するということを使います。
手や腕を伸ばした場合、慣性モーメントI(回し難さ、感じる重さ)の値が大きくなるので、ω(速度)がその分小さくなる(回転のスピードが遅くなる)ということになるのです。

難しいですねえ。。。
今一度、簡単に確認です。

● 角(回転)運動量L = 質量m × 速度v × 半径rの2乗

スノーボードで考えてみましょう。
計算式上、外部からなんらかの力が加わらない限り、回転力(角運動量、回ろうとする力)は一定を保ちます。
計算式の右側の値は、相互でそのバランスを保つように、一方が大きくなれば一方が小さくなるのです。

例えば腕を回転半径の内側で回した場合は、半径の値は小さくなりますが、その代わりに回転のしやすさが上がります。
つまり回転速度も上がるということです。

腕を回転半径の外で回した場合は、半径の値は大きくなりますが、その代わりに回転のしやすさが下がります。
つまり回転速度は下がります。
こうやって最初に付けた回転力Lは保たれるのです。

ですから最初に大きく腕を広げて回転を始動する時は重たく感じたりするわけですが、なんと言っても回転半径は計算式上は「2乗」!!ですから、広げるほど効率良くトータルの「回転力(角運動量)」は上がるわけです。
そして一旦動き出してしまえばその回転力(角運動量)Lは一定の物に決定され、その後に腕を内側に巻き込めば、回転半径が減る代わりに回転速度が上がるわけです。


腕を内側に縮めるタイミングはいつでしょう?

まず下半身が上半身に追いついてくるまでは、上半身は回転逆方向に戻されたくありませんね。
実はこれを助けているのが腕なのです!

広げた腕は「回し難く、止め難い」でしたね。
下半身に引っ張られる上半身を、体幹筋だけで支えるのは大変です。
その体幹筋の負担を軽くしてくれるのが、外に大きく広げた腕です。
この腕が「止め難い」というのは、つまり下半身が感じている事と考えると分かりやすいでしょう。
下半身が上半身を逆方向に引っ張ろうとしても、「止め難い」腕が上半身と同じ方向に回る事で上半身を助けているのです。

ですから下半身が上半身に追いつくまでは広げたままが良いのです。
下半身が追いついたすぐ後に腕を縮めましょう。

まとめると。。。

1.最初に腕と上半身を回転の反対方向に振っておく
2.腕を大きく広げ回したい方向に速く回す
3.回す腕は下半身が上半身に追いつくまで広げておく
4.各パーツが揃ったら一気に腕を縮める


これで最高の結果を得るということです。




<力のモーメント>

物体を回転させようとする能力のことであり、別名はトルクと言います。
回す物体に掛かる力(速度ではありません!)が大きいほど、また回転軸からの距離が長いほど、物体を回転させようとする能力は高くなります。

● 力のモーメントN = 回転軸からの距離r × 物体に掛かる力F

スノーボードのスピンで考えるなら、

● 力のモーメントN = 回転力
● 回転軸からの距離r = 体軸から手の先までの距離
● 物体に掛かる力F = 体幹筋による回転力(回転運動)
● 物体 = 腕(手)

以上のように考える事ができるでしょう。
しかし逆に回転軸となる体幹から考えれば、軸に近い物を動かすより、遠い物を動かす方が重たく感じます。
てこの原理の逆をしているわけですからね。
実際のスピンでは物体(腕、手)に直接外力は加えません(押しません)が、体軸から回転運動を物体(腕、手)に伝える事で、一旦動き出した物体(腕、手)には力のモーメント(回転力、トルク)が発生するのです。
そしてその物体の位置が軸から離れているほど、物体が持つことになる力のモーメント(回転力、トルク)は大きくなります。
仮に体幹筋による回転運動がゆっくりでも、計算上は回転軸からの物体の距離が大きいだけでも、力のモーメント(回転力)は大きくなります。

さあ、強い回転力が欲しいですか~?!
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少々難解だったかもしれませんが、何度も読んで自分のスピンで考えられるようになってください。
次回は今回のシリーズを簡単にまとめてみます。
お楽しみに!!



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